なぜ、あえて子供を持たないのか。その理由は多様だ。経済的な不安を挙げる声もあれば、キャリアを中断したくないという自己実現への欲求もある。しかし、最も大きな変化は「世間の目」に対する意識の変容だろう。「結婚したら子供を産むのが普通」という無言の圧力に対し、冷ややかな視線を送る世代が増えている。
「自分の人生のハンドルは自分で握りたい」。都内のIT企業に勤める女性(34)はそう語る。夫と話し合い、互いの仕事を最優先にする合意形成をした。後悔はないという。しかし、親戚の集まりや職場の雑談でふと投げかけられる「お子さんは?」という質問には、今でも心がざらつく。個人の選択が尊重される一方で、社会の意識のアップデートはまだ途上だ。