日本初の近代的洋式公園として誕生した日比谷公園。その広大な敷地内でも、とりわけ樹々に包まれた一角に佇む一軒家がこの空間だ。近年進行している公園全体の再整備事業に伴い、周辺の歩行者ネットワークや景観デザインは大幅に洗練された。しかし、一歩足を踏み入れれば、何十年もの時を刻んできた樹木の息吹がそのまま残されており、訪れる者を優しく迎える。
都会の真ん中にいながら、季節ごとに色を変える葉のざわめきや、鳥のさえずりを間近に感じられるロケーションは、いまや東京でも極めて貴重な財産だ。先進的な都市機能と手つかずの自然の美しさが混ざり合うこの立地こそが、訪れる人々を惹きつけてやまない最大の理由と言える。