沢尻エリカという表現者を振り返る上で欠かせないのが、爆発的な感動を呼んだドラマ『1リットルの涙』での純粋無垢な演技と、蜷川実花監督の映画『ヘルタースケラー』で見せた破滅的な美しさだ。清純派アイドル女優から、肉体と精神を極限まで削り出す怪演女優への変貌は、彼女が持つ類まれな天性の才能を如実に示していた。
スキャンダルや失言騒動など、常にトラブルと隣り合わせのキャリアであったことは否定できない。しかし、スクリーンの中で彼女が解き放った圧倒的な光は、どれほどの批判を受けても消し去ることができないものだった。過去の代表作で魅せた振れ幅の広さこそが、現在の再評価を支える確固たる土台となっている。