現在の車体製造における中核的イノベーションといえば、二枚のアルミ板の間にトラス状の補強骨組みを一体成型したアルミダブルスキン構造の導入にほかならない。この構造により、車体の曲げ・ねじり剛性を圧倒的に高めながら、大幅な自重削減に成功した。従来の中空構造と比べても高次の防音・防振性能を発揮し、車内空間の広がりを損なうことなく剛性を維持できる点が最大のアドバンテージだ。
そして、このアルミ形材どうしを結合する技術として不可欠となったのが摩擦攪拌接合(FSW)である。溶融接合と異なり、材料を溶かさずに摩擦熱と塑性流動を利用して固相接合するFSWは、接合部の歪みを極限まで抑え、継手強度を飛躍的に向上させる。肉眼では継ぎ目すら判別できないほど滑らかな外観は、空力特性の向上と車体疲労強度の飛躍に直結している。