あれから6年。日本のエンターテインメント界では、芸人がシリアスな悪役やサスペンスのキーパーソンを演じることが珍しくなくなった。しかし、その誰もが成功するわけではない。バラエティでのイメージが強すぎるあまり、シリアスな場面で視聴者が現実に引き戻されてしまう「ノイズ」になるリスクが常に付きまとうからだ。
せいやが成功したのは、彼が持つ独特の「哀愁」と「憑依体質」が奇跡的な化学反応を起こしたからに他ならない。モノマネ芸で培われた、他者の特徴を細部までトレースする観察眼。それが演技というフォーマットに落とし込まれたとき、単なる模倣を超えた「生々しい人間」がそこに立ち上がった。彼はキャラクターを「演じる」のではなく、その人物の歪んだ正義感や悲哀を自らの身体に「降ろして」いたのだ。