かつて反響を呼んだNHKスペシャル『アルコールと人体』では、アルコールが及ぼす微細な細胞変化が最新の映像技術で克明に描き出された。番組内で指摘されたのは、自覚症状のないまま進行する「隠れ脱水」の恐怖である。喉の渴きを感じた段階では、すでに体内組織の乾燥がかなり進んでいるという事実が視聴者に大きな衝撃を与えた。
現在でもNHKオンデマンドで配信されている同番組のアーカイヴ映像を観ると、アルコール代謝に追われる肝細胞の過酷な労働環境がよく解る。脳や臓器から水分が奪われていく映像は、単なる酒乗りの不摂生という言葉では片付けられない生体リスクを雄弁に物語っている。