来訪者の多くが口を揃える「怖さ」の根本原因。それは、単なるお化け屋敷的な演出ではなく、この地で実際に繰り広げられた壮絶な歴史の重みに起因する。明治時代、ロシアの脅威に対抗するための道路建設やインフラ整備には、膨大な労働力が必要とされた。そこで白羽の矢が立ったのが、全国から集められた重罪犯たちだった。
冬には気温がマイナス30度を下回る過酷な環境下で、彼らは鎖で繋がれたまま開削工事に従事させられた。食事は満足に与えられず、病や凍傷、そして疲労困憊によって命を落とした囚人は千人を超えるという。展示されている「五翼放射状平屋舎房」に足を踏み入れると、ひんやりとした冷気とともに、当時の囚人たちが抱いた絶望が肌を刺すような錯覚に襲われる。歴史的事実が生み出すリアルな恐怖こそが、今なお語り継がれる心霊噂の火種となっているのだ。