胡蝶姉妹が鬼殺隊へと足を踏み入れた背景には、幼少期の凄惨な悲劇があります。平穏な家庭で暮らしていた姉妹は突如として鬼に襲われ、両親を目の前で惨殺されました。命の危機に瀕した二人を救い出したのが、当時すでに鬼殺隊で頭角を現していた悲鳴嶼行冥です。
「他の人には自分たちと同じ思いをさせない」と誓った姉妹は、悲鳴嶼の厳しい課業を乗り越えて入隊。やがてカナエは負傷した隊士の治療や訓練を担う拠点として蝶屋敷を整備し、数多くの孤児や後輩隊士たちを温かく受け入れました。
なかでも象徴的な出来事が、栗花落カナヲとの出会いです。親から虐待を受け、人身売買で売られていた幼少期のカナヲを見かねた姉妹は、路傍で縄を切って強引に買い取り保護しました。感情を閉ざし、指示がなければ何も決められなかったカナヲに対し、カナエは「人は心の声で動くもの」「一人になったらこれで決めたらいい」と一枚の銅貨を手渡します。この優しさが、後にカナヲが自らの意志で戦う人間へと成長する大きな原動力となりました。