新基準バット(低反発バット)の導入から数年が経過した2026年、高校野球の戦術は決定的な転換期を迎えた。かつてのような「打ち勝ち、本塁打で試合をひっくり返す」大雑把な大鑑巨砲主義は影を潜め、スモールベースボールと高度なデータ分析を組み合わせた戦術が主流となっている。
打球初速が抑えられたことで、外野手の守備位置や内野のシフト配置、さらには1点を争うエンドランやセーフティバントの精度が勝利を左右するようになった。本塁打数が減少した一方で、安打の連なりと走塁による「足を使った揺さぶり」がファンの興奮を呼んでいる。
パワーに頼れないからこそ、打者の選球眼と相手投手の癖を見抜くスカウティング能力が問われる。今年の甲子園は、一球ごとに벤チとフィールドが連動する濃密な頭脳戦の宝庫だ。