この地を語る上で欠かせないのが、歴史ファンを魅了してやまない伝承の数々だ。江戸時代初期の稀代の剣豪・宮本武蔵が、若い頃にこの滝に打たれ、開眼に至る武者修行を行ったという伝説が今なお色濃く残されている。
主瀑である三段の滝の目と鼻の先には、「武蔵滝」と「円空滝」と呼ばれる別系統の滝が静かに佇む。宮本武蔵が精神を研ぎ澄ますために滝行を敢行したとされる「武蔵滝」の周辺には、静謐で独特の凛とした緊張感が漂う。岩肌を流れる細く力強い水筋を見つめていると、かつて剣の道を極めようとした孤高の剣士が見たであろう光景が、時空を超えて目の前に浮かび上がってくる。