道具としての信頼性で支持を集めていたスノーピークに対し、古参キャンパーが離反したもう一つの理由が「価格帯の急騰」と「アパレル・ラグジュアリー路線への偏重」です。
原材料費高騰や円安の影響を超え、毎年のように繰り返された価格改定により、定番テントやタープの価格は庶民的なファミリー層にとって高嶺の花となりました。市場では「性能に対して高すぎる」「もはや富裕層向けの嗜好品」という評判が定着。他社がコストパフォーマンスに優れた実用的なギアを次々と投入する中で、価格と価値のバランスに対する疑問符が拭えなくなりました。
また、都市型ライフスタイルを掲げた高級アパレルやグランピングリゾート事業への急激な傾倒は、「アパレルの迷走」「山を忘れたブランド」と古くからのアウトドアファンを失望させました。泥臭くタフな道具作りを愛していたコアユーザーほど、高級セレクトショップのような路線に違和感を抱き、心理的距離を広げていったのです。