墳丘の上に並べられた埴輪(はにわ)。私たちは素朴な素焼きの人形を想像しがちだが、実際の配置は極めて演劇的だった。円墳の頂上にある埋葬施設を守るように、家型、器物型、そして人物や動物の埴輪が整然と並べられていた。
これは、死した王の魂が次の世界へと旅立つための「儀式の舞台装置」だったと考えられている。特に前方部の平坦な面では、新たな王の即位式や、先代の偉業を称える祭祀が執り行われていた形跡が見つかっている。つまり、前方後円墳とは墓であると同時に、生者と死者が交錯し、権力の継承を民衆や他国の使者に見せつけるための「巨大な劇場」だったのだ。