『走れメロス』は、太宰治が1940年に発表した短編小説であり、日本の近代文学を代表する傑作の一つだ。物語の舞台となるシラクスの街とメロスの村との往復距離は、作中において「十里」と記載されている。日本における一里は約3.93キロメートルであるため、十里はおよそ39キロメートル。これは現代のフルマラソン(42.195キロメートル)に匹敵する長距離である。
かつて筑波大学附属駒場高等学校の生徒が発表した研究論文をきっかけに、この作品における移動ペースの検証が大きな話題を呼んだ。新潮社から刊行されている文庫本や、インターネット上で著作権フリーのテキストを提供する青空文庫などで本文を確認すると、メロスが往路をどのようなスケジュールで移動したのかが刻々と記録されている。