芝生(特に日本庭園で普及している日本芝・高麗芝)は、ランナー(匍匐茎)を地中や地表に網の目状に張り巡らせて生育します。植え付けから2〜3年が経過すると、土壌内部は古い根や地下茎で埋め尽くされ、「ルーティング過密(根詰まり)」と呼ばれる現象が引き起こされます。
緑化植物の研究データや日本芝草学会の学術知見によると、密生しすぎた古い根塊は土壌中の間隙を塞ぎ、通気性および透水性を著しく低下させます。その結果、以下の3大トラブルが連鎖的に発生し、最終的に芝生が枯死へと向かいます。
- 酸素欠乏による根腐れ:土中の酸素濃度が低下し、根の呼吸が阻害されて新根の発生が停止する。
- 養水分の吸収不全:老化した木質化根は水分や肥料を吸い上げる力が弱く、表面に水を撒いても地下深くまで浸透しない。
- 病原菌・害虫の温床化:古い枯れ葉や根の堆積物(サッチ)が滞留し、ラージパッチなどの病害リスクが急増する。
芝の根切りは、単なるメンテナンスではなく、あえて古い地下茎を切断することで植物ホルモンの分泌を促し、強靭な新根を一斉に発根させる外科的リフレッシュ手術なのです。