仙台真田家に大切に伝革されてきた家系図を読み解くと、そこには幕府の追手を欺くための極めて緻密な生存戦略が浮かび上がる。明治維新を迎えるまでの約250年間、彼らは公の場で「真田」の姓を名乗ることを固く封印されていた。公的な記録では一貫して片倉姓を使い分け、伝統の六文銭の家紋も仏事など限られた私的な場でのみ密かに使用されていたという。
幕末の動乱を経て明治時代が訪れた際、子孫たちはついに新政府へ申請を行い、本来の「真田」の姓を正式に取り戻すことに成功した。400年もの間、血統の秘密を口伝と密書によって受け継ぎ抜いたその確固たる執念は、日本の史書における最大の奇跡の一つと言える。