そもそも、なぜ紙幣によって横幅が6mmずつ異なるのだろうか。その根幹にあるのは、日本の金融・通貨発行業を一手にかじ取りする日本銀行が長年追求してきた「ユニバーサルデザイン」の思想だ。
目の不自由な人が手で触れただけで直感的に券種を識別できるよう、物理的なサイズ差が設けられている。さらに新紙幣では、指先の触覚で判断を助ける表面凹凸印刷(タクタイル・マーク)の配置も改良された。千円・五千円・一万円のそれぞれでマークの形状や位置を変え、ミリ単位のサイズ差と組み合わせることで、誰もがストレスなくお金を扱える社会環境が構築されている。