「通常価格2万1000円の豪華和洋折衷おせちが、半額の1万500円」。甘い謳い文句に惹かれ、限定クーポンを購入した人数は500人に上った。しかし、2010年12月31日の大晦日から元旦にかけて届いた段ボールを開けた瞬間、購入者たちは己の目を疑うことになる。そこに収まっていたのは、重箱の底が露出するほどスカスカに偏った具材と、解凍に失敗して傷んだチーズや筑前煮だった。
商品名は「バードカフェ 謹製おせち」。本来なら100セット程度の製造が限界だった小さな飲食店が、能力を遥かに超える注文を受け入れた末の破綻である。届いた現物の写真はすぐさま撮影され、当時普及期にあったTwitterへ投稿された。見本画像と現実の落差があまりにも露骨だったことから、投稿は爆発的に拡散。ネット炎上という言葉が一般化する契機となる大騒動へと火がついた。