朝靄(あさもや)の中に浮かび上がる絶景で知られる備中松山城。近年、単なる「映えスポット」としての消費を脱し、文化財保護と高い体験価値を両立させるプレミアムツアーの導入が進んだ。入場制限を設けた早朝の雲海鑑賞会や、歴史学芸員による深掘り夜間ガイドは、本物志向のインバウンド客や国内の歴史ファンから圧倒的な支持を集めている。
かつて懸念された過度な混雑を回避するため、スマート予約制による観光客の分散化を徹底。単に訪れる人数を追うのではなく、滞在時間を延ばし地域に直接経済効果をもたらす仕組みへとシフトした。文化財を守りながら価値を高めるこの手法は、全国の自治体が視察に訪れるモデル事例となっている。