テレビドラマ『半沢直樹』で描かれたような、担保至上主義や機械的な資金回収といった銀行像とは一線を画すのが、信用金庫の真骨頂だ。信用金庫の本質は、営利を第一目的としない相互扶助の理念にある。経営難に直面する町工場や商店街の個店に対し、経営者の人柄や事業の将来性を評価して資金を流し続ける姿勢は、メガバンクには真似のできない芸当と言える。
ただし、情に流されるだけの貸し出しは単なる自殺行為に過ぎない。現実の現場では、AIによる事業評価ツールと、職員が靴底を減らして集めた現場情報を組み合わせた高度な事業性評価が行われている。過剰債務に苦しむ中小企業に伴走し、ハンズオンで再生へ導く泥臭い支援こそが、地域経済の崩壊を防ぐ最後の砦となっている。