一口に桜餅と言っても、日本列島は大きく二つの派閥に分かれている。発祥の地・東京を中心とする関東風長命寺桜餅は、小麦粉などの生地を薄く焼き上げ、餡をくるりと巻いて桜の葉で包むスタイルだ。クレープにも似たしっとりとした上品な食感が特徴である。
対する関西風道明寺桜餅は、蒸した道明寺粉(もち米を蒸して乾燥させ粗つぶしにしたもの)で餡を包み込む。つぶつぶとした特有のモチモチ感と、しっかりとした弾力が魅力だ。どちらの文化圏でも桜の葉が欠かせない存在であることに変わりはないが、東と西でまったく異なるアプローチが進化を遂げた点は、日本の和菓子文化の多様性を象徴している。