実際に伊勢湾岸道の遮断に直面した現場では、どのような事態が起きているのでしょうか。SNSやネット掲示板、現地ドライバーの生々しい証言を検証すると、共通する後悔のパターンがくっきりと浮かび上がります。
「湾岸が止まったと聞いて飛島ICで国道23号に降りたら、信号が青になっても大型トラックが1ミリも動かない。トイレもないまま車内で4時間缶詰めになった」「ナビの指示通りに下道を選んだら、細い抜け道に大型トレーラーが頭を突っ込んで立ち往生し、後続車全滅」といった阿鼻叫喚の声が後を絶ちません。
行動心理学には、困難な状況に直面した際に「何もしないより、少しでも動いている方が前進している気がする」と感じる「行動バイアス(Action Bias)」という概念が存在します。高速道路で待機することに強いストレスを感じたドライバーが、「とりあえず下道へ降りよう」とステアリングを切る行為こそが、まさにこの心理的罠です。下道に降りた瞬間、同様の心理で流れてきた数千台の車両と合流し、抜け道のないボトルネックに閉じ込められます。現場を熟知するプロのトラックドライバーほど、本線ICの手前にある大型PAに素早く滑り込み、無理な移動を控えてエンジンを切るのが現実です。