認定調査の現場で最も頻繁に発生する失敗が、調査当日に本人が「無理をして元気に振る舞ってしまう」現象だ。普段は立ち上がりに苦労しているにもかかわらず、調査員の面前で意地を見せて自力で歩いてしまい、結果として軽度と判定されるケースが後を絶たない。
現場の専門家は、調査前の「メモ準備」こそが認定率を大きく左右すると指摘する。家族が日常の転倒リスク、物忘れの頻度、排泄や入浴で手伝いが必要な具体的場面を日頃から記録し、調査員に提出することが不可欠だ。調査員の短い訪問時間だけでは見えにくい「隠れた介護負担」を可視化することが極めて効果的といえる。
さらに、事前に主治医へ日常生活の困りごとを詳しく伝えておくことも忘れてはならない。意見書に記載される認知症症状の度合いや身体機能の制限に関する客観的所見は、審査会が判断を下す際の決定的な証拠となる。