二人のやり取りは、計算された台本通りに見えて、その実は極限のスリルに満ちた即興劇のようでもあった。メインキャスターの久米宏が放つ変化球に対し、小宮悦子は絶妙な間合いと冷静なファクトチェックで応酬。時に久米の暴走をたしなめ、時に視聴者が抱く疑問を代弁する姿は、お茶の間に強烈なカタルシスを与えた。
番組制作の裏側では、秒単位の緊張感が常に漂っていた。生放送直前まで原稿が書き直され、突発的な速報が入れば瞬時にアドリブ対応が求められる過酷な現場。その最前線で小宮が見せた安定感は、スタッフからも絶大な信頼を集めていた。二人が生み出したテンポ感こそが、夜10時台の世帯視聴率30%を超える伝説的な支持を築いた原動力である。