バラエティ番組で見せる屈託のない笑顔や、国民的アイドルとして長年培ってきた「慎吾ちゃん」のパブリックイメージ。多くの人々が抱くその陽気な印象と、彼がキャンバスに叩きつける絵画表現の間には、あまりにも大きな乖離が存在します。これが、鑑賞者に「精神状態は大丈夫なのか?」という強烈な違和感とざわめきを与える最大の要因です。
彼の作品を心理分析の視点で見ると、原色を幾重にも塗り重ねる過密な構図や、キャンバスを引っ掻くような激しいストロークが随所に散見されます。心理学において、余白を極端に嫌う過剰な描き込みや、尖った線、濁った黒の多用は、内面に渦巻く不安、葛藤、抑圧された感情の自己防衛的カタルシス(浄化作用)を示す傾向があると指摘されます。香取慎吾の絵が「闇が深い」「怖い」と感じられる理由は、まさに彼が自身のメンタルヘルスや孤独と対峙し、綺麗事ではない剥き出しの情動をそのままカンバスへぶつけているからに他なりません。