物価上昇を上回る実質賃金の確保は、今や一企業の労使交渉を超えた国家的な課題だ。日本最大の産業別労働組合であるUAゼンセンが提示した方針は、基本給を底上げするベースアップ(ベア)と定期昇給を合わせた明確な水準を打ち出している。特に短時間労働者(パートタイマー)の時給引き上げ率は、正社員を上回る指標を設定。雇用形態の違いによる不合理な処遇差を根本から是正する狙いだ。
労働条件の改定案には、休日数の増加や勤務間インターバル制度の拡充も盛り込まれた。過酷なシフト勤務が常態化しがちな現場に対し、明確な歯止めをかける。経営陣に対して単なるコストカットではなく、人への投資こそが企業価値の源泉であると強く揺さぶりをかけている。