CPTPPの発効と運用拡大は、日本企業に対して明暗双方の影響をもたらしている。自動車や機械部品などの製造業においては、加盟国間での原産地規則(累積規定)の活用により、サプライチェーン全体のコスト削減と効率化が大幅に進んだ。現地法人との取引においても、関税コストの削減が直接的な競争力向上につながっている。
一方で、国内の農林水産分野は依然として構造改革の波に晒されている。安価な豪州産やニュージーランド産の牛肉・乳製品の輸入増加は、国内農家にとって厳しい試練となった。政府による経営支援策や高付加価値化への支援が継続して行われているものの、グローバルな価格競争の中で生き残りをかけた収益構造の転換が強く求められている。