日本国内における普及の歴史を語るうえで、絶対に外せない存在がある。それが1980年代後半に彗星のごとく登場したセブン-イレブン・ジャパンのホットデリ商品だ。
当時の日本において、メキシカンフードの知名度は決して高くなかった。そこで開発陣は、日本人の好みに合わせてもちもちとした食感の薄焼き生地を採用し、ハムやとろけるチーズを巻き込んだワンハンドフードを生み出す。レンジで温めて片手で手軽に食べられるスタイルは爆発的なヒットを記録し、本場の味とは一味異なる「日本のブリトー」という独自ジャンルを定着させた。
現在、国内の外食産業では本物志向の本格メキシカンスタンドが次々とオープンしており、コンビニで育った世代が本場やアメリカンスタイルの奥深さに魅了されるという新たな循環が生まれている。