株式会社良品計画の堂前宣夫代表取締役社長は、かねてより「地域密着」と「個店経営の推進」を掲げてきた。かつての大量消費型モデルから脱却し、その土地の暮らしやコミュニティと深く結びつくライフスタイル小売業への転換である。
この戦略は、地殻変動の最中にある百貨店業界にとっても大きな刺激となっている。アパレルや高級ブランドの頼みの綱だった従来の百貨店モデルが揺らぐ中、日常生活に寄り添う無印良品の強力な集客力は、館全体の回遊性を高めるアンカーテナントとして不可欠な存在となった。堂前社長が推し進める「日常の基本を支える店舗づくり」は、都市型商業施設のあり方そのものを根底から書き換えている。