清里明良が所属していた京都見回り組は、新選組と並び、幕末の京都で治安維持を担った幕府直轄の警察組織である。会津藩主の管轄下に置かれ、主に身分の高い武士によって構成されていた。清里のような若者がなぜこの激流へと身を投じたのか。そこには当時の若者たちが抱いていた情熱と、時代への抗えぬ奔流があった。
幕末の京都は、理想を掲げる志士たちと幕府側を守護する武士たちが血で血を洗う無法地帯だった。時代の変革という大義名分の影で、清里のような個人のささやかな幸せや未来は容易く踏みにじられていった。彼らは政治の駒でありながら、同時に大切な人を守ろうとした一人の人間だったのだ。
史実とフィクションが見事に融合した『るろうに剣心』のストーリー展開は、単なるエンターテインメントの枠を超え、幕末という時代が生んだ無数の名もなき悲劇を告発している。