年収の歪みを加速させているもう一つの要因が、産業間における圧倒的な「業種間格差」だ。特に「金融・保険業」やITアセットマネジメント業界の平均年収は800万円〜1,000万円を超え、他産業を圧倒している。
これに対し、飲食サービス業や介護・福祉、小売業などの平均年収は300万円台にとどまることが多い。経済アナリストの森永卓郎氏も長年指摘し続けている通り、日本社会構造の変化に伴う深刻な「所得格差」は、もはや個人の努力だけでは埋められないレベルに達している。
労働経済学の視点からも、収益性の高い構造を持つ金融・資本市場関連の産業へ資金と人材が集中する一方で、現場のエッセンシャルワーカーへの還元が追いついていない構造的欠陥が懸念されている。職種による給料の天井があらかじめ決まっている実態が、働く人々の徒労感を煽る結果となっている。