熊石の代名詞とも言えるのが、荒波で育った身の締まりが抜群のキタムラサキウニや天然のエゾアワビだ。しかし、地球温暖化に伴う海水温の上昇や海水変化は、伝統的な漁獲スタイルに見直しを迫っている。そこで注目されているのが、陸上養殖へのテクノロジー導入と海洋深層水の高度利用である。
清浄でミネラル豊富な日本海の深層水を活用した養殖施設では、高品質な海産物を安定的に出荷する体制が整いつつある。食通を唸らせる伝統の味を守りつつ、海洋変動リスクを分散させる挑戦。地元の若手生産者は「ただ獲る時代から、大切に育み価値を高めて届ける時代へ変わった」と、手応えを口にする。