今回の出来事は、音楽や動画配信を柱とするエンターテインメント業界と、防御策を講じるサイバーセキュリティ業界の双方に大きな課題を投げかけた。個人で活動するインフルエンサーだけでなく、大手プロダクションに所属するクリエイターであっても、日常の業務連絡に潜むたった一つのトラップによって資産であるアカウントを一瞬で失う危険性を示したからだ。
セキュリティ専門家の間では、クリエイターを狙った「サプライチェーン攻撃」としての脅威が議論されている。影響力を持つインフルエンサーのアカウントを乗っ取ることで、その先にいる数百万人規模のファンやフォロワーを標的にした詐欺へと繋げることができるため、ハッカー集団にとって絶好の標的となっている。業界全体でのガイドライン策定と、クリエイターを支援する防衛体制の構築が急務となっている。