「すべての全身麻酔手術で尿道カテーテルが必要なのか」といえば、必ずしもそうではない。手術時間が2時間未満と短く、術中の輸液量が少ない手術や、下腹部以外の小さな外科処置では、カテーテルを留置せずに排尿確認だけで対応するケースが増えている。不要な留置を避けること自体が、尿路感染症(CAUTI)の予防において最も有効な対策だからだ。
さらに、近年世界中の外科医療で採用されている「ERAS(術後回復強化)プロトコル」に基づき、カテーテルの留置期間は必要最小限に切り詰められている。術後翌朝、あるいは条件が整えば手術当日の夜には抜去されるプログラムが組まれており、「長期間管に繋がれたまま動けない」という時代は終わりを告げた。