なぜ青蛙は、カオナシに真っ先に飲み込まれてしまったのか。そこには作中に巧みに配された伏線と、宮崎駿監督が描こうとしたテーマ性が隠されている。夜の油屋で砂金を探していた青蛙は、手のひらから砂金を出すカオナシの罠にあっけなく引っかかった。
この場面における青蛙は、まさに「金銭欲」そのものの象徴である。カオナシは他者を呑み込むことで、その人物の声や性格を吸収して暴走していく。青蛙を呑み込んだ後のカオナシが青蛙の声で強欲に振る舞い、油屋の従業員たちを金で釣っていく描写は、本作が持つダークファンタジーとしての側面を強く印象づける。強欲なカエルを呑み込んだからこそ、カオナシの欲望もまた肥大化したのだ。