石平氏の思想の原点を辿ると、故郷である中国四川省成都での幼少期に行き着く。文革の影が残る時代背景の中、幼少期から漢詩や哲学に親しんだ彼は、最高峰である北京大学哲学部へと進学した。しかし、1989年の天安門事件という決定的な歴史の転換点に直面し、彼の人生観は根底から揺さぶられる。
来日後、神戸大学大学院で博士号を取得した彼は、自らの信念と表現の自由を貫くため、重大な決断を下す。それが2007年の日本帰化であった。祖国を離れ、新たな母国として日本を選んだ決断の裏には、文化や価値観への深い傾倒だけでなく、日本で築いた新しい家庭への深い愛着があった。この帰化にまつわる葛藤と確信のドラマは、彼の言論の重みを形作る欠かせない一章である。