ピンク色に変色した瞬間、多くの人が反射的にやってしまう最大の過ちが、「色が落ちないから、もっと強い漂白剤に浸け直す」という追い漂白です。ネット上の掲示板や知恵袋でも「ハイターの原液を直接かけたら余計にピンクが濃くなった」という悲鳴が散見されます。
前述の通り、ピンク色の正体は塩素と日焼け止めの反応生成物です。そこにさらに塩素系漂白剤を投入すれば、未反応だったアボベンゾンまで残らず反応し、変色がより濃く、広範囲に広がってしまいます。さらに、高濃度の塩素に長時間さらされたコットンやポリエステルは繊維が脆化し、黄ばみや破れといった修復不可能なダメージを負うリスクがあります。
また、「煮沸消毒すれば熱で消えるのではないか」という俗説も誤りです。過度な熱を加えると、繊維の奥深くに錯体が定着してしまい、かえって落としにくくなるケースが報告されています。焦って漂白剤や熱湯を追加するのではなく、まずは衣類を流水で十分にすすぎ、残留した塩素を洗い流すことが初動の鉄則です。