時計の針を数年前に戻そう。芸能界全体を恐怖と困惑に陥れたあの泥沼の離婚劇は、日本のメディア史に残る強烈な出来事だった。元夫である船越英一郎氏との確執、大手芸能事務所ホリプロとの対立、そして連日連夜テレビのワイドショーを独占した過激な発言の数々。当時は「暴走」と形容されることが多かった。
しかし、当時の動きをマーケティングや自己プロデュースの観点から再評価する声も少なくない。既存のテレビメディアに頼らず、カメラ一基と自身の語りだけで世論を巻き込んだ姿は、メディアの覇権が移行する過渡期の象徴的な出来事でもあった。世間が面白おかしく消費する裏で、彼女は巧みに自らのメディアパワーを実験し、次のステージへと飛躍するための布石を打っていたとも言えるのだ。