本紙が独自に入手した未公開シナリオの初期決定稿によると、本作の舞台は都市再開発の波に取り残された東京の下町。長年、深夜の路上清掃作業に従事してきた孤独な老作業員(役所広司)が、ある朝、路地裏で静かにうずくまる見知らぬ青年に声をかけたことから物語の歯車が動き出す。その一言こそが、作品のタイトルそのものである言葉だった。
ドラマチックな事件や派手な演出を意図的に排除し、カメラが捉えるのは都市の片隅で交差する市井の人々のリアルな息遣いだ。全8話構成の終盤にかけて、登場人物たちが抱える過去の傷痕と交錯する人間関係が鮮やかに浮かび上がる。すでに内々の試写を済ませた限られたスタッフの間では、「是枝作品における最高到達点」との絶賛が相次いでいる。