この二つの書物が持つ対照的な魅力は、現代のポップカルチャーにも多大な影響を与え続けている。世界的な人気を誇るアニメやゲーム、漫画の多くが、ここからキャラクターや世界観を着想しているのは公然の秘密だ。
『古事記』の持つドロドロとした愛憎劇やダークファンタジー要素は、ダークヒーローものの漫画やライトノベルに受け継がれている。一方で、『日本書紀』の持つ壮大なスケール感や、多角的な視点で歴史を描く群像劇の手法は、大河ファンタジーやSF作品の骨組みとして機能している。現代のクリエイターたちにとって、記紀は枯れることのないアイデアの源泉なのだ。