現地滞在中、事の重大さに気づいたロケ隊は焦った。ナスD自身も川の水で必死に顔を洗い、挙げ句の果てには強力な石鹸や洗剤、さらにはクレンジングオイルで顔を激しく擦り洗う試みを繰り返した。しかし、化学反応を起こしたウィトの成分はビクともしない。むしろ摩擦によって皮膚が赤く腫れ上がる始末だった。
ここで重要なのは、刺青(タトゥー)と表皮着色の違いだ。真皮に達した刺青は永久に残るが、ウィトによる染色は皮膚の角質層に止まっている。どれほど強烈な色素沈着であっても、人間の皮膚が生まれ変わり続ける限り、古い角質とともに削ぎ落とされていく。過酷なアマゾンの日差しや擦り洗いでダメージを受けつつも、毎日の代謝によって少しずつ、グラデーションのように色が薄れていったのが「色戻り」の真実であった。