2000年代後半、彼はテレビ朝日の午前中にまったく新しい風を吹き込んだ。自身の冠番組となった旅・散歩番組『ちい散歩』である。
街を歩き、市井の人々と飾らない言葉で言葉を交わす。画用紙と絵の具を手に、ふと足をとめて風景を描く。それまでの旅番組にあった過度な演出を排し、ありのままの日常を慈しむ姿は、空前の散歩ブームを巻き起こした。
ロケの最中、カメラが止まっても街の人々との会話をやめなかったという。芸能界に長年身を置きながらも高ぶることなく、市井の人々に注いだまなざしはどこまでも温かかった。番組内で描かれたスケッチ画の一枚一枚には、彼の優しい人柄がそのまま滲み出ていた。