佳那晃子を突然の悲劇が襲ったのは2012年の終わりのことだった。自宅で倒れ、緊急搬送された診断結果はくも膜下出血。発見が遅れれば命を落としていた非常に危険な状態で、一時は意識不明の重体に陥った。医師からも厳しい見通しが告げられるなか、懸命に妻の命をつなぎ止めようと立ち上がったのが、夫で放送作家・演出家の源高志氏だった。
一命を取り留めたものの、重い後遺症との闘いが待っていた。言語障害や身体の麻痺といった困難に直面しながらも、源高志氏は毎日病室へと通い詰めた。手を握り、声をかけ、手足を摩りながら、わずかな反応も見逃さない。その献身的な介護の日々は数年間に及び、焦らずゆっくりと前へと歩みを進めていった。
現在、彼女は集中リハビリを経て、少しずつ穏やかな日常生活を取り戻しつつある。言葉を発することや意思疎通が可能になり、夫とともに自宅で過ごす平穏な時間も増えた。スクリーンで見せた鋭い眼光とは異なる、穏やかで柔らかな笑みを浮かべる彼女の素顔には、夫婦で苦難を乗り越えてきた深い絆が滲み出ている。焦りよりも、今この瞬間を生きている喜びを噛みしめる日々だ。