夫を大統領に押し上げただけでなく、息子である第43代大統領ジョージ・W・ブッシュを育て上げた功績は、アメリカ政治史においても類を見ない。同一族から二人目の大統領を輩出するという奇跡の陰には、彼女の徹底した家庭教育と、現実を見失わせない厳格な姿勢があった。息子の政権運営が苦境に立たされた際も、彼女はメディアの批判を前に一歩も引かず、家族を死守する強靭な防波堤となった。
国民からは「全米のおばあちゃん」と慕われたが、家庭内での彼女は徹底したリアリストだった。息子の政治判断に対しても、家族だからこそ言える辛辣なコメントを惜しまなかった。一族の栄光を盤石にした背景には、甘やかしを一切排した彼女の厳格な美学が存在していた。