「松商の名前だけで勝てる試合は1試合もありません」――主将の言葉には、一切の隙がない。プレッシャーを感じないと言えば嘘になる。だが、それを跳ね返すだけの練習量を自分たちは積んできたという自負が、その声には宿っていた。
冬場の過酷なトレーニング、早朝からの自主練習、そして夜遅くまでのミーティング。チーム内で交わされる議論は時に苛烈を極めた。全員が同じ視界を共有し、一球に対する集中力を研ぎ澄ませてきた。「甲子園に出る」ことではなく、「甲子園で勝ち上がる」こと。その明確な目標設定が、チームのブレない芯を作り上げている。