稲葉家の象徴として代々受け継がれてきた代表的な家紋が「隅切角に三木(すみきりかくにみつき)」や「稲葉三つ木」「折敷に三文字」です。角を切り落とした方形の枠の中に、3本の直線的な線や木が配置された独特の幾何学的デザインを持っています。
この家紋の由来は、先祖と伝わる伊予河野氏の「折敷に三文字」紋に起源を持ちます。伊予国の一宮である大山祇神社(愛媛県大三島)の神紋を拝領した名残とされ、海の武士団として名を馳せた誇りと信仰が込められています。
美濃への移住と武家としての独立を経て、意匠はより洗練された「三木」や「隅切角」へと変化を遂げましたが、過酷な戦国を生き抜き、江戸の大名へと上り詰めた後も、一族のルーツである伊予の神意と先祖への崇敬を紋章に刻み続けました。