この料理のルーツを辿ると、贅を極めた清朝宮廷料理に行き着く。物語は清代の最盛期を築いた乾隆帝の時代にさかのぼる。
江南地方への巡幸中、皇帝の舌を満足させるために宮廷料理人が編み出したとされるこのスイーツ。口に運んだ乾隆帝はその見事な食感と、皿や箸を汚さない上品さに痛く感動し、自ら「皿に粘らず、箸に粘らず、歯に粘らない」という意味を込めて命名したと伝えられている。以来、紫禁城の宴で賓客をもてなす秘伝の品として珍重されてきた。今なお受け継がれる伝統製法は、一切の機械化を許さず、人間の感覚と体幹だけを頼りとする極めて厳格なものだ。