朝日が境内の石畳を照らす頃、拝観の刻を迎える。大阪市東南部に位置する平野区は、古くから摂津と河内を結ぶ交通の要衝として栄えた街だ。その歴史の渦中で幾多の変遷を潜り抜けてきたのが、この寺院である。
境内に足を踏み入れると、まず目を奪われるのが見事に保全された木造建築群だ。日常の慌ただしさを完全に忘れさせる独特の空気が漂う。案内を担当した住職は、「歴史は生き物であり、いまを生きる人々との接点があってこそ息づく」と穏やかに語る。これまで一部の専門家しか知り得なかった境内の深部が、今回初めて本紙に公開された。