2013年に公開された『かぐや姫の物語』。あのアニメーション映画における彼女の声の輪郭を覚えている人は多いはずだ。地声でありながらどこかこの世のものとは思えない浮遊感。喜び、苛立ち、そして絶望。膨大な感情の揺れを声だけで表現する過酷な現場で、朝倉は命を吹き込んだ。
声優としての演技力評価は当時から極めて高く、プレスコ(セリフを先に録音する手法)特有の生々しい呼吸感がスクリーンから溢れ出していた。型にはまった声優的アプローチではなく、肉体を持った人間としての息遣いをそのまま音に乗せる。その生真面目で愚直なまでの演技設計こそが、姫の孤独を浮き彫りにしたのだ。