地方自治体が企業を呼び込む際、最大の武器として繰り出すのが巨額の財政支援だ。インフラ整備の負担や固定資産税の免除にとどまらず、国からの地方創生推進交付金を活用した現金給付型補助金がバラ撒かれるケースは珍しくない。こうした仕組みは内閣府地方創生推進事務局主導のもとで加速してきたが、財政支援の「優遇期間」が終わった瞬間に企業が撤退を検討し始めるという皮肉な構造を生み出している。
企業側にとってみれば、手厚いインセンティブは立地場所を選ぶ選択肢の一つに過ぎない。補助金が尽きた途端、より条件の格安な海外や他地域へと拠点を移す「補助金イナゴ」とも呼ばれる行動様式が蔓延。残された自治体には、誰も使わない巨大な工業団地の平地と、返済期限の迫る地方債の山だけが放置される残酷な現実が残る。