東京の地下空間におけるカオスの象徴と言えば、間違いなく渋谷駅だ。再開発が進行する渋谷の地下は、各線の改札やホームがまるでパズルのピースのように複雑に組み合わさっている。その状況を視覚化した「渋谷駅立体構内図」を観察すると、地上と地下が何層にも重なり合い、異様な密度で空間が消費されている事実に圧倒される。
東急東横線・副都心線の地下深くに位置するホームから、地上高くに鎮座するJR線や銀座線へと向かう動線は、もはや平面の地図で捉えることは不可能だ。緻密に描かれた構内図は、過酷な地形制限と都市機能の要請に応え続けた現代日本の土木・建設技術が到達した一つの限界点を物語っている。